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社会に生きづらさを感じる人へ、愛着障害の特徴と克服方法

Cat

 

愛着障害の人は生きづらい。

 

愛着とは「人との付き合い方」である。愛着障害は多くの場合、生まれや育ちが大きく関係している。そのため、誰でも愛着障害になりえる。あなたが生きづらさを感じてる場合、それは愛着障害のせいなのかもしれない。

 

この記事では愛着障害の種類、特徴を説明した後、克服法をお伝えする。
ぜひとも参考にしてほしい。

 

 

 

 

愛着障害には主に2つのパターンがある

愛着障害には主に2つのパターンがある。細かく分けると様々な種類があるが、

ここではメジャーな

  1. 不安型
  2. 回避型

の2種類を説明していく。

またこの2つが混ざった「不安・回避型」もある。

 

不安型愛着障害の特徴

基本的に不安型は、他人に嫌われないように顔色を伺う傾向が強い。気を使いすぎて気後れしてしまったり、ストレスがたまると他人を求める。自分は人に見捨てられるかもしれないという不安が常に強い。依存心が強く他人を求めるが、一方で見捨てられるかもしれないという思いもあり、そのジレンマで苦しんでいる。「あの人はすごい」など過度に特定の人やものを理想化し、心酔して依存しようとする。

中には他人を求める気持ちが強すぎて、攻撃的な行動をとる人もいる。例えば、「なぜ私を大切にしてくれないのか」という理由で怒り、暴力的な行動を起こしたりする。暴力的な行動を起こさなくても、相手に何かしてもらって当然という被害者意識が強く、受け身で主体性に欠ける人もいる。

精神的なストレスが強いため、炭水化物を過剰に摂取したり、飲酒や喫煙を好む場合もある。

 

回避型愛着障害の特徴

回避型の人は淡々としている。積極的な人付き合いを好まない。共感能力にも乏しい場合が多い。表情が乏しいため、辛いことがあっても傷ついてないように見えるが、心拍数測定すると高い状態が続くため、ストレスがかかっていることが実験によって証明されている。また、ストレスを強く感じるためか精神的に深く傷ついたことを忘れようとする。そのため、過去の辛いことを思い出しにくいという特徴がある。

そして、自立心が強い。人に頼ることができなかったり、人に頼る人を見ると怒りを感じる人もいる。人間関係よりも仕事が大事である一方、チャレンジなどせず、自分一人の時間を大切にしようとする。

 

 愛着障害の原因は主に幼少期のころの体験

遺伝的な要因もあるが、愛着障害は主に幼少期のころの体験、主に親からどのように育てられたかによって決まる。例えば、私たちは基本的に親を通じて、人との接し方を学んでいく。しかし、親が子供の感情に鈍感だったり、拒絶するような態度を示すと、子供はそれに対処しようと不安型のように過度に相手を求めようとしたり、回避型のように相手のことをあきらめたりする。それが大人になっても続いてしまうのだ。

余談だが、「新奇場面法」という母親を赤ん坊から離して、また再開させたときの反応を見る実験がある、親の育て方と愛着障害のスタイルが関係していることがこの実験により明らかになっている。

 

愛着障害の克服方法

愛着障害は主に幼少期の体験が原因となっている。そのため、①いかに幼少期のつらい経験を克服するか、②いかに幼少期に本来得るべきであった体験を獲得するか、がポイントとなる。

 

辛い経験をひたすら紙に書きだす

嘘のように辛い思いが緩和されるのでやってみてほしい。辛い体験というのは、言語化できた時点で8割がた乗り越えている。辛い経験がないという人も、無意識のうちに思い出さないようにしてる場合がある。ぜひ強引にでも書こうとしてほしい。また、一回書いてもまだ辛いようなら、何度書いてもいい。自分の外に出すことが重要なのだ。人に迷惑にならない範囲で話を聞いてもらうのも、もちろんお勧めだ。

 

akkeyplus.hatenablog.com

 

安全基地を手に入れる

少々難しいと思うかもしれないが、一緒にいて安心できる人、例えばなんでも話せるような人を作るのが重要だ。意外と周囲にいるものである。幼いころに親といっしょにいて安心できなかったことを穴埋めする形で愛着障害を克服できる。他者が自分を大切にしてくれているという安心感がある人は、不安型にも回避型にもならない。そしてこの感覚は親から与えてもらうべき感覚だ。克服のために自分を肯定してくれる存在を作ったほうがいい。肯定してもらわなくても、自分の話を最後まで聞いてくれる存在、共感してくれる存在は必要だ。

注意点だが、安全基地は全肯定するべき、というわけではない。話し手の愛着障害がひどい場合は、否定してはいけないが肯定してもいけない。ただ共感を示せばいい。話し手の安定度合が増してきたら、否定を受け入れるだけの余裕があるので、否定してもよい。

 

なお、この記事の最後に安全基地に関するリンクを載せた。興味がある人はぜひ見てほしい。

 

人の役に立つ、利他的な行動をとる

愛着障害に限った話ではないが、他者の役に立つことは非常に重要である。相手の役に立つ行動をし、感謝される。感謝されることは安心感と健全な自信を生む。生きる喜びを与えてくれる。人間関係への不安や恐怖、諦め、孤独感といったネガティブな感情が払拭される。愛着障害の人は「自分なんか・・・」というような自己否定や無力感を感じてる人が多いので、それも緩和される。自信は余裕を生み、自分のことだけでいっぱいいっぱいという状態から人のことを考えるゆとりを生み出す。人の役に立つことが自分の精神を健全にする最も有効な方法である。

 

最後に

私は愛着障害には希望があると信じている。苦しんだからこそ、愛情深い人間になれると思っている。確かに人生は残酷な一面もある。どうしようもなく辛いときもある。しかし、辛い思いをしたからこそ人は強く、深い人間になれる。私は愛着障害はそのきっかけであると信じている。

 

11月8日追記

安全基地に関する記事を書きました。この記事を読むと、安全基地の人を見つけられるだけではなく、自分が誰かの安全基地になることもできます。

 

akkeyplus.hatenablog.com

 

 

参考書籍

↓は愛着障害の定番中の定番の本。分かりやすく、愛着障害の基本から克服方法までが分かる。

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)

 

 

トラウマを中心として愛着障害の紹介もしている。回復への様々な方法が載ってる章は圧巻の一言。値段は高いが良書。

 

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法

 

 

 こちらも基礎からしっかり分かる本。不安定な人の心理と対処法がわかる。 

他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)

他人を攻撃せずにはいられない人 (PHP新書)