【書評】Outward Matrix Shin氏の「7つの仕事術」が素晴らしい
仕事ができない。
それは非常につらいことだ。私も数多くの非難や罵倒を浴びた。
そんな人におすすめの本が「7つの仕事術」である。
この本は、そそっかしくて、言われたこともまともにできないと評価されていた人の、仕事ができるビジネスマンになるまでの努力と執念の跡だ。
心からおすすめだ。
コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術
- 作者: Shin
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/07/07
- メディア: Kindle版
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「コピーすらまともにできないんだな、帰れよ」と言われて
この本の筆者は現在、外資系コンサルティングファームでマネージャーとして、様々な国籍の部下を率いながら、企業の課題を解決するコンサルタントとして活躍している。
ここを見ると、快刀乱麻でスマートな方のように思えるが、最初からそうであったわけではない。本によると、ドが10個あっても足りないぐらいの「ド落ちこぼれ」だったらしい。
それを裏付けるエピソードとして見出しの「コピーすらまともにできないんだな、帰れよ」という言葉がある。そのような出来事が重なったのだろう、本にはうつ状態になって休職したとある。
休職から1年後には若手ナンバー1へ
うつが落ち着いて「できる人のやりかたを真似ていたからダメだったんだ、できない自分にもできる方法が、必ずほかにあるはずだ」と方針転換したようだ。 方針転換の結果、7つの仕事術を編み出した。そして、上司からの評価はうなぎ上りに、1年でマネージャーまで昇進し、他社から引き抜きの声がかかるほどへ。
うつ状態になった時点で、普通だったら仕事を続けることすらままならないだろう。まず、コンサルタントを辞めてしまう。あるがままの自分と向き合って、思考を続け、実行する。この姿勢だけでも見習いたい。
7つの仕事術とは「仕事ができない人ができる人になるための仕事術」
そもそも、仕事ができないとはどういうことだろうか。彼が出した結論は以下の7つが原因だという結論だった。
- 吸収力
- 主体性
- 目標設定力
- 思考力
- 資料作成力
- コミュニケーション力
- 生産性
この7つの要素の改善方法に加えて、英語の学習方法が、「7つの仕事術」の内容になる。
吸収力について、指摘事項をどう活かすか
メモをとる、ものごとを学び、吸収する上での社会人の基本だが、これでミスは0にはならない上、ときには同じミスをしてしまう。仕事ができるようにもなるかと聞かれれば、少々疑問だ。
「7つの仕事術」の吸収力の章に出てくる方法は、一般のメモの書き方のハウツーとは一線を画す。
おおまかな内容はGメールの下書きに指摘されたことを書いていき、定期的に見直すというものだ。下記の記事にShin氏がまとめているが、本の内容はそこから一歩進んだものになっている。
主体性について、どう付加価値を提供するか
「上司から言われた仕事をこなすのに精一杯だが、上司からの評価は低い。」
もしくは、
「言われたことしかできないのかと言われたから、割り振られた仕事以上のことをしたら余計なことをするなと言われた」
こんな人にこそ、この章はぜひおすすめだ。この章を徹底することで上司からの評価が上がるとともに、より大きい仕事を任されることになる。
目標設定力について、自己成長につながる目標設定とは
上司との面談のために、それっぽい目標を作っているだけ。
そんな人は多いだろう。しかし、Shin氏はそんな状態に警鐘を鳴らす。
そしてみなさんも、かつてのぼくのように、「こんなことしても意味ないよな」「面倒くさいな」と考え、しっかりと取り組めていないのではないでしょうか。
その気持ちはよくわかります。「目標設定とか言う前に、まずは目の前の仕事をこなさないと始まらないだろう」という方がたくさんいるのもわかります。
ただ、確実に言えるのは、そのまま目の前の仕事を続けているだけでは目覚しい成長を遂げることはできないということです。
正しい目標設定をすると、そうした日々の仕事をこなすだけの状況が、自分の成長を日々実感しながら仕事に取り組める状態に変わります。ぼくが1年で急成長できたのも、 この「正しい目標設定」を知り、実践できたことが大きな要因のひとつでした。
出典:「7つの仕事術」より
実際のところ、この章の内容は真新しいものではない。仕事でいうと基本の部分である。よくある「困難は分割せよ」という言葉の実践だ。
しかし、おろそかにしている人は多いだろう。Shin氏が急成長できたのも、この目標設定の基本を徹底していることが理由のようだ。改めて徹底したい章だ。
思考力について、自分の頭で考えるとは
「自分の頭で考えろ」と言われたことがある人は多いだろう。この章では、自分の頭で考えるためのヒントが詰まっている。
そもそも、思考するとはどういうことか?思考するとは、あるテーマについて、5W1Hを考えたり、YesかNoかを決めたりすることだ。
つまり、上手に疑問を投げかけることができれば、上手に自分の頭で考えたことになる。この章では、考えることが仕事のコンサルタントであるShin氏がおすすめする、投げかける疑問文が分かる。
資料作成力について、効果的な資料の効率的な作り方とは
資料を作成するとは、事実や自分の考えたことを表現することだ。つまり、「何を」「どういう風に」伝えるかが肝だ。建築でいう設計図、漫画でいうネームのようなものだ。それのビジネスバージョンだと考えればいい。
さすがコンサルタントのShin氏ということで、どういう風に伝えればいいかというノウハウがこの章には詰まっている。
コミュニケーション力について、合わない上司にどう対処するか
うつ状態になり、体を壊した経験から、コミュニケーションについて非常に重要なことが書いてある。主に、相性が合わない上司とのコミュニケーションについて、様々なコツと解説が載っている。しかし、一番大事で核となる考え方は1つである。この章はぜひともおすすめしたい。
生産性について、限られた時間をどう活かすか
Shin氏はこの章の方法で生産性が3倍になったと書いている。
その方法とはスケジュールとto doの管理術である。たかがスケジュール管理と思うだろうが、実はこれは非常に有効な方法である。
スケジュールを立てるためには段取りを考えなければいけない。段取りが整っていれば、仕事は驚くほど早く終わる。
この章ではエクセルでのスケジュール、to doの管理方法、個別タスクを効率的にこなすための方法、おすすめのエクセルショートカットなどが載っている。
さいごに
「7つの仕事術」は仕事について悩んでる人、全員におすすめの本だ。
仕事ができないというのは、とても辛い。世間に出回っている本は、多くが仕事ができる人が自分のやり方を書いたものだ。
しかし、この本は、仕事ができなくてうつ状態にまで追い込まれた人が編み出した、仕事ができる人になるための本だ。心の底からおすすめだ。
コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術
- 作者: Shin
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/07/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Outward Matrixで紹介されていた7分タイマーを実際にやってみたレビュー記事だ。午後の仕事に身が入らなくなってきたときなどにおすすめだ。
こちらもコンサルタントから教わった仕事のハウツー記事である。
仕事におけるコミュニケーションに関する記事。扱いずらい人とどう接すればいいのかを書いた。他責思考には理由がある。