【実例付き】金利が上がると不動産の価格が下がる理由
金利が上がると不動産の価格は下がる。
なぜかというと、ほとんどの人は不動産を購入するときにローンを組むことになる。
ローンの金利が上がれば、それだけ不動産を購入することがむずかしくなり、需要が減る。そのため、不動産の価格は下がるのだ。
この記事では、教科書的な説明と実際に検証した図を載せる。ぜひ、参考にしてほしい。
そもそも「金利」とは何を指すのか
国の経済的な意味合いで使用する「金利」は、国の借金である国債の金利を指す。なかでも、主に10年物の国債だ。
なぜ、「金利」という言葉が国債の金利を意味するのかというと、世の中の金利が、この国債の金利によって決まるからである。
例えば、あなたは国債の金利が10%のときに、見ず知らずの他人に5%の金利でお金を貸したいと思うだろうか?人にお金を貸すより、国に貸したほうが安全だと思う人は多いだろう。国にお金を貸せば安心して10%の利息がもらえるのに、わざわざ返ってくるかどうかも分からない他人に、国より低い金利でお金を貸すなんてありえないはずだ。もしかしたらあなたは国に貸したら10%もらえるのだから、見ず知らずの他人には50%ぐらいなら貸せると思うかもしれない。
これが見ず知らずの他人ではなく、例えばNTTなど有名な会社だったらどうだろうか。有名な会社だから、国債の金利に近い11%ぐらいでお金を貸せると思うかもしれない。
このように、国債の金利を基準として、世の中の金利というのは定まっていく。
不動産を購入するときにローンを組む
不動産は高額なので、購入するときにローンを組むこととなる。このローンの金利が高ければ不動産を購入する人が少なくなる。市場には不動産があまり、不動産の価格が下がる。
このように、金利が上がると不動産の価格が下がる。
【実例】金利と不動産投信(J-REIT)の関係
下の図の横軸が金利の変化率、縦軸が不動産価格(不動産投資のインデックスであるJ-REITを使用した)の変化率である。なぜ変化率なのかは、話が複雑になるので割愛する。興味がある人は「単位根過程」というキーワードで検索してみてほしい。
データの期間は2月1日~28日である。
全体的に、右肩下がりなのが伺える。つまり、金利が上がると、不動産価格は下がる。
データ元のサイト:
今後の国債金利の展望
なぜなら現在、日銀が国債を大量に購入している。購入すればするほど、国債が少なくなっていき、国債は貴重になっていく。貴重になると借り手に有利な低い金利でも国債は売れる。つまり、日銀が国債を買えば買うほど、金利は下がる。
しかし、いつの日か日銀にも限界が来る。いつの日か国債を購入できなくなるし、国債を売らなければいけなくなる。先ほどの反対で、国債が増えれば、金利は上がる。
そのため、不動産にはマイナス影響となる。
さいごに
ざっくりと分かりやすく解説してみたつもりだ。
もちろん、不動産の価格は金利だけでは決まらない。基本的にモノの価値というのは、市場にどれぐらいあるかで決まる。多ければ安くなるし、少なくなれば高くなる。金利以外には、人口減少の影響も受けるだろう。
有名な投資家が「なんだかんだで、東京の土地を買って賃借収入を得続けるのが一番良いかもしれません。」とおっしゃっていた。東京は人口が減らないと思われているからだ。不動産投資という面で考えるなら、本当にその通りかもしれない。
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